話し方がうまい人へたな人(三笠書房)出版記念コラム

三笠書房より「話し方がうまい人へたな人」が発売されました。
これを記念して、その一部をみなさまにご紹介いたします。

部下からいいアイデアを引き出す「反応術」

例えば上司が部下からいいアイデアを引き出したい時。
コミュニケーションがうまい上司は、部下と話をしている時に

「具体的にはどういうことですか?」
「要点を手短に話してください」
 といきなり詰め寄るような言い方はしません。

このような言い方をされると、人は「何かいいことを言わなくてはいけない」と思ってしまいます。
すると、相手を緊張させてしまい、柔軟なアイデアが出にくくなるのです。

逆に、
「なんでも自由におっしゃってくださって、けっこうですよ」
「思いついた単語だけでも大丈夫です」

このように言われると、気が楽になります。それによって、いろいろな言葉が出てくるかもしれません。
自由に話しているうちに、本人も「コレが言いたいことだった」と気づくものです。

反応の言葉は少し「大げさなくらい」でいい

そして、自由な発言を求めてみたものの、なかなか具体的な情報が出てこなかったり、ピントのずれた答えしか返ってこなかったりしても、
会話を途切れさせたり、無理に方向を変えたりする必要はありません。

「今の、いいですね!」 「そのお話、面白いじゃないですか」

などと盛り上げてください。相手は「もっと話したい」気持ちになり、会話にもますます勢いが出てくるでしょう。

その時に、

「あ、今のいいじゃないですか!」
「もっと続けてください!」
「出てきましたね~」

というような言葉を入れると、本当にアイデアが出てきたりするものです。

〝アイデアの芽″をつぶさない工夫を

相手から少しずつキーワードが出始め、そのキーワードに対するあなたの反応によって、一つのアイデアが生まれたとします。

あなた「レジャーについて自由に話してみましょうか」
相手「冬のレジャーというと……、来週スキーに行くんですけど」
あなた「へえ、スキーですか♪」
相手「そうだ、次のテーマはスキーにしませんか?」

ここでもし、「スキーは違う」とあなたが思っていたとしても、
まずは相手の言葉を受け止めるのが信頼されて味方が増える人、
なぜか情報が集まってくる人の話し方でしょう。

×「イヤ、スキーはちょっと……」
◯「ほう! スキーですか(数秒待機)」

人は自分の意見を聞き入れてくれる相手に、安心感や信頼感を抱きます。
その関係がいいアイデアを生みだす基盤となっていくのです。あなたの意見を優先するより、まずは相手を肯定してみましょう。

「否定」から入らない

読者の中には後輩やスタッフ、部下の指導を任されていたりして、「彼らが何を考えているかわからない」という悩みを抱く人もいるかもしれません。

相手の「本音」を引き出すには、普段からいい人間関係を築いておくことが必要です。

ではどうすれば、そのような関係を築けるのでしょうか。
それにはまず、相手の言葉を否定しないことです。

まず「受け入れる」から歯車もスムーズに回る

たとえば、あなたが指導している相手から何か意見を言われた時に、

「それダメだな」
「本当にそれでいいと思ってるか?」

など、否定的な返事ばかりしていたらどうでしょう。やがて「この人には、何を言っても無駄だな」と思われてしまいます。
すると、チームワークも今ひとつになるでしょうし、あなたの指導力も大したことがないと思われてしまうことにつながります。

「なるほどな、そういう見方もあるね」
「なるほど、その意見も一理あるね」
「ああ、そんなふうに思っていたんだ」

というように、まずは相手の意見を受け入れること。

また、自ら歩み寄って批判的な意見を聞いてみようという場合も、
「何か悪いところがあれば言ってくれ」という言い方よりも、

「今の環境はどうかな。何か変えたほうがいいと思うことがあれば、遠慮なく言ってもらえると助かるよ」

このように話すべきです。これなら出てくる意見も「批判」でなく「改善案」として認識されるので、相手も話しやすくなるでしょう。

相手が話にノッてくるうまい「反応術」:まとめ

  1. 人からいいアイデアを引き出すなら、いきなり「もっと具体的に」とか「要点は?」などといきなり詰め寄ったりしないようにする
  2. 「自由にどうぞ」「思いついた単語からどうぞ」と相手がリラックスできる言葉から話をはじめる
  3. いきなり否定しない
  4. 「そういう見方もあるね」「それにも一理あるね」と受け入れる言葉を多用する
  5. 上司を批判するのではなく改善案を出してと言うと意見が出やすくなる

ウケる話ってどうしたら身につく?

彼が口を開けばみなが笑顔で話に聞き入る。
そんな人が世間にはいるものだ。

自分が何かを話しても、みなの反応は小さく寂しいのに。
自分の話には「へー」と言った切り、聞き手が全く乗っていないのが伝わって来る。

いったい何をどう話せば、みなに話を食い入るように聞いてもらえるのだろうか。
そう思っている人は世にいっぱいいることだろう。

私の家内がルールも知らないゴルフ中継を見て笑ったのはなぜか

私はアメリカで行われているプロゴルフのメジャー大会、
全米オープンゴルフをテレビで見ていた。

私の家内もソファーに座る私の隣で、その番組を見ていた。
彼女はゴルフになど全く興味がない。
時々、スマホのYouTubeなど見ながら、ただのお付き合いをしていてくれた。

私がテレビからふと目をそらした時、家内がテレビを見ていて突然笑い出した。
何事かと思い、テレビを見るとリプレイが映し出されている。

そのプレーヤーは2メートルのパットに、そのシーズンの全てを賭けていた

あるプレーヤーはそのパットに今シーズンの全てを賭けていた。
そのパットが入ると、年間のベストプレイヤー30人で行われる最終マッチに出場できるのだ。
打たれたパットはゆっくりと転がり、カップを外したかに見えたが、最後の30センチでボールはフックラインを描いてカップに吸い寄せられて行く。

ボールはカップの右横から中をのぞき見て、
入るかどうか戸惑いを見せるように動きを止め
最後は「お前がそんなに言うのなら」といった感じで、コロンと音を立てて中に入った。

この瞬間、彼は年間の上位30人に入り、最終マッチに出場できることになった。
その試合は優勝すれば16億円!
出場するだけで5000万円がもらえるビッグマッチだ。
彼のこの試合の順位は30位。
大した成績ではない。

しかし、彼にとっては名誉も金もかかった大一番のビッグな一打だった。

空を見上げて「ふー」と息を吐く。
ゆっくりと腕を突き上げる。
それはまるで優勝した選手がするかのような仕種。

周りは誰も何も言わない(30位だし)、もちろんトロフィーもない。
彼だけが感激に浸っている。 しかし彼の表情は恍惚としていて、胸に手を当て神に感謝するかのように何かをつぶやいた。

家内は彼の感情表現に魅かれた

家内はその表情を見て大笑いをしている。
リプレーを見て、また笑っている。
何が彼女をそこまで笑わせたのか。

それはそのプレーヤーの表情から伝わって来る感情でした

ゴルフのことはわからなくても、人間なら他人の表情や仕種からその気持ちはわかる。
プレーヤーの振舞いから、彼女は彼のほっとした安堵感、じわじわとこみ上げて来る喜び、
そして自分の幸運への感謝

そんな気持ちがいっしょくたになったものを画面から感じ取ったのだろう。
それがおかしかったのだ。

ほのかな感情に人は魅かれる

ということは話も全く同じことが言えそうだ。
他人を引き付ける話をしている人は、その中にほのかな感情をひとまぶししてストーリーを伝えている。

人を引き付ける話しには、感情が必要なのだ。

しかも、あまりに強い怒りや悲しみは刺激が強すぎて受け付けてもらえない。
先ほどのプレーヤーのように、想像するとその気持ちがじんわりと伝わって来るような、微妙な気持ちが一番いい。

それは聞き手の頭の中でゆっくりと形になり、その気持ちをじわりと感じさせてくれる。
まるで自分もそのストーリーを体験しているかのようだ。
その気持ちがわかるから、人は笑う。

あなたも他人の気持ちをつかみたいのなら、そんなストーリーをたくさん見つけてみよう。
一見むずかしそうに見えるけれど、あなただってそんな微妙な気持ちを日々体験している。

それに気づいて、人に語ればればいい。
最初は下手でもかまわない。「ふーん」という悲しい反応にも出会うだろう。
しかし失敗を重ねるうちにコツがわかって来る。

秘訣がわかれば、上手に話す人はどこが上手なのかがわかって来る。
そうすれば上手な人の話をマネして、自分の上達につなげることも可能になるだろう。

家内の乾杯に感じる違和感

私は家内と週に4回ほど晩酌をする。
「乾杯」とグラスを合わせる。
その時、家内は私のグラスより自分のグラスを上にして来る。

初めは平行だったグラスの位置が、
互いが触れる直前に家内はグラスの位置を上に持って来る。

チーン、かんぱい。

家内はその意味を知っていてそうしているのだろうか。
それはマウンティングだぞ

それとも「私の方が上なのよ」という高らかな宣言?
怖くてその真意を聞くことができない。

ウケる話ってどうしたら身につく?:まとめ

  1. 人はじんわりと気持ちが伝わって来る話が好き
  2. 日々の暮らしの中で、自分が感じる微妙な気持ちを見つける
  3. それをなぜ感じるのか、はっきりさせる
  4. 気持ちを伝えることを意識してストーリーを話す
  5. コツがわかったら、バラエティ番組などを見て出演者のどこがうまいのかよく観察する

なぜあなたの話は最後まで聞いてもらえないのか②

このコラムは「なぜあなたの話は最後まで聞いてもらえないのか①」の続編です。
①はこちらからご覧下さい。

聞き手に相づちを打たせて話すと最後までついて来る

相手が自分の話を最後まで聞いてくれない。
そんな相談をある男性から受けた私は、彼に2つ目のアドバイスをしました。

彼に改善してもらったのは、まるで独り言のような伝え方です。
彼は自分の話に自信が持てなかったようで、相手から目をそらし、ぼそぼそとした声で話す特徴がありました。
それは相手から見ると、自分に語り掛けているようには見えないものだったのです。

すると相手はその先に面白い展開が待っているとは思えなくなります。
ましてそれが三人、四人の中でのこととなると、誰かが質問をしたり、話を横取りしたりすれば、あっという間に皆の関心はそちらに向かいます。
彼の話はまるで終わったかのような扱いになってしまっていたのです。

そこで私は彼に2つ目のアドバイスをしました。

① 相手の顔を見て話すこと
② あなたに語り掛けていますよという気持ちで語尾に力を入れる。
② 言葉を短く切って間を空け、相手が相づちを打ちやすくすること

相手に語り掛けていることをしっかり伝える。
相手に相づちを打たせることで、互いの言葉と気持ちを交流させる

このように話すと、聞き手の頭の中にはその内容が映像で浮かぶようになるのです。
それはまるで、あなたが体験したシーンに相手を招き入れるような、そんな状態です。

そうなれば、相手はまるで自分もその現場にいて、その内容を体験しているかのような気分になれるのです。

たとえば、こんな内容の話を相手に伝えたい場合。

子供と動物園に行ったら、ちょうど白熊の赤ちゃんが生まれたばかりで、その子の名前を募集していたので、子供と相談して「トノ」という名を投稿して来た。

こうしていっぺんに伝えてしまうと、聞き手は言葉を受け取るのがやっとで、その内容を映像にできません。
するとただ理解するので精一杯。
相手に感情移入してもらうことができないので、話を真剣に聞いてもらえないのです。

それを次のように話してみます。

子供と動物園に行ったのよ。
・・・相手「ええ」

そしたらちょうど白熊の赤ちゃんが生まれたばっかりでね。
・・・相手「へー!」

その子の名前を募集してたの!
・・・相手「おー!」

子供と相談してね
・・・相手「ええ」

「トノ」って名前を付けて
・・・相手「あら、いいじゃない!」

その場で投稿して来たのよ。
・・・相手「それは良かったね」

これでほとんどの人が、あなたの話を最後まで聞き、その内容を楽しんでくれるようになるでしょう。

もしそれでも余計な質問(ストーリーに関係ない)をされたり
相手が話を奪って話しはじめたら

「ちょっと待って、まだ話は終わってない」と言って奪い返しましょう。

なぜあなたの話はなぜ最後まで聞いてもらえないのか ②:まとめ

  1. 独り言のように話さない
  2. 相手を見て語り掛ける
  3. 間を作って相手に相づちを打たせる
  4. すると相手の頭の中に映像が浮かび、相手自身がその場にいるかのような気になる
  5. あなたの話すシーンに入り込んだ相手は、あなたが感じたような気分を味わえる
  6. 相手はあなたの話にどっぷりはまって、話を聞き入り、話を最後まで聞いてくれる

なぜあなたの話は最後まで聞いてもらえないのか ①

ある方からこんな相談を受けました。

自分はもともと口下手で、これではいけないと何とか話題を見つけて自分から話をしようと努力して来た。
しかし結末まで聞いてもらえることが少なく、必ず途中で余計な質問が入ったり、自分の話が終わってないのに、別の人が話しはじめたりする。

これではもう話などする気がなくなってしまう。
どうしてそんなことになるのでしょうか。

私はこの原因を、彼の話し方にあると感じました。
今の伝え方では、聞き手が集中力を切らさず最後まで聞くことができないのだろうと推測したのです

自分の話にいい見出しをつける工夫を

彼の話はじっくり聞くと、なかなか面白いものでした。
以下は、私がアドバイスした後の彼の話です。

漫才師のかまいたちというコンビが夢に出て来たのです。
一人は山内さんってわかるのですが、相方の人の名前が出て来ない。
一人には私が『山内さん』って呼びかけるのに、もう一人にはこちらの方とか言うので、
その人が、「僕の名前知らないんでしょ」なんて言うのです。

私はなぜか、知ってますって言い張ります。
それでもウソつけと言われるので、
「かまいたちの山内さんじゃない方」なんて言ってました。

そしたら彼が、「ヒントを出しましょうか」って言ってくれて、
ヒントは「チーターです」って言うんです。

「チーター?」って思ったところで夢が終わったのですが、朝起きだして一番にスマホで「かまいたち」って検索したんです。
そしたらその人が「濱家さん」だとわかったのですが、
チーターは全く関係ありませんでした。夢なんてしょせんそんなものですよね。

こんなに面白いのに、なぜ最後まで聞いてもらえないのか。
私はそこに2つの理由を感じたのです。
今回はその中の1つをお伝えしましょう

話にいい見出しをつけると、聞き手はついて来る

茫洋とした話だと、聞き手は着地点をイメージすることができません。
この話はどこから始まって、どこで終わるのか。
それが見えず、しかも話に興味を感じられないと聞き手は我慢ができなくなるのです。

そこで大事なのが、話に見出しをつけること
キャッチ―であれば言うことなしです。

実は彼、この話を
「夢ってあんまり覚えていないことが多いんですけど、この間は変な夢を見て・・・」というふうに始めてしまい、かまいたちの名前を初めて口にするのがずいぶん後の方になっていたのです。

聞き手の集中力は最初の10秒ぐらいで切れてしまいます。
その後で話が面白くなってももう聞き手の気持ちは離れた後で、興味を持って聞いてはもらえないのです。

私は彼に「夢に漫才のかまいたちが出て来たんです」から話しはじめてみて下さい、とアドバイスしました。
すると聞き手の反応が変わるよと伝えました。

「夢に漫才のかまいたちが出て来た」がこの話の見出しだったわけです。
これならかまいたちを知っている人ならば、その先を聞きたくなりますよね。

話がうまい人は、話しはじめる前に上手な見出しをつけてくれます。
秘訣は3つ。

① 聞き手の興味をそそるもの
② 全体像がイメージできる
③ しかしオチはわからない

これで話の全体像が聞き手に伝わるので、聞き手はある程度ストーリーを予測しながら聞くことができます。
もちろんオチがわかってしまえば興ざめですから、そこは注意して下さい。
これで聞き手は話し手について来てくれるようになります。

実際に彼は、見出しから話しはじめる勇気を持ってから、
相手が身を乗り出して来るのがわかったと喜んでいました。

これに2つ目のコツ、相手に相づちを打たせながら話す力をマスターすれば、もう聞き手はあなたの話を食い入るように聞くでしょう。
その詳細は、「なぜあなたの話はなぜ最後まで聞いてもらえないのか②」で。

なぜあなたの話はなぜ最後まで聞いてもらえないのか ①:まとめ

  1. まとまった話をする時は、まず見出しからはじめると聞き手がついて来る
  2. 見出しの秘訣① 聞き手の興味をそそるもの
  3. 見出しの秘訣② 全体像がイメージできるものを
  4. 見出しの秘訣③ しかしオチはわからないように

コミュニケーション力の正体

世間では「コミュニケーション力って大事」とか、
「就活ではコミュニケーション力が問われる」などと言われていますね。
ではコミュニケーション力って具体的に言うとどんなことなんでしょうか?

教室への問い合わせで『上司から「あなたはコミュニケーション力がない」と言われました』という話をお聞きすることが、ちょくちょくあります。

その方に「具体的にどんなことを言われましたか?」と聞くと、「具体的には詳しく言ってくれなかった」というケースが目につきます。

上司が具体的に言えないものを、どうやって部下が改善したらいいのか。
言われた人は途方にくれるでしょう。

実は多くの人が、口ではコミュニケーション力と言いながら、その実、コミュニケーション力を具体的にとらえてはいないようなのです。

それもそのはず。
コミュニケーション力とは1つの力ではなく、いくつかの側面を持っているものなのですから。

コミュニケーション力には2つの意味がある

世の中で言われているコミュニケーション力には、大別して2つの系統があるようです。
1つは「説明力」、2つ目は「共感力」です。

① 男性がコミュニケーション力という時は、説明力を指している

大まかに言いますと、男性はコミュニケーション力とは「説明力」だと受け取っている人が多いようなのです。
短い言葉で要点を的確に伝える。話がわかりやすい。
コミュニケーション力とはそういうことだと信じている人が多いように思います。

ですから「あなたにはコミュニケーション力がない」と言った人が男性であれば、
それは説明力のことで、
「あなたの話はわかりにくいぞ」と言っているのだと思っていいでしょう。

男性は結果を出す道具がコミュニケーションだと思いがちです。
仕事、利益、収入を大事にするのが男ですから、どうしても説明力に目が向くのでしょう。

② 女性がコミュニケーション力という時は、共感力を指している

かたや女性は、コミュニケーション力とは「共感力」だと受け取っている人が多いようです。
自分が何か話したら「へー♪」とか「そうなの!」と相づちを打って、自分の気持ちを受け止めてほしいと思うのが女性なのでしょう。

女性の上司や先輩、恋人、妻から「あなたにはコミュニケーション力がない」と言われたら、
その時は共感力に目を向ける必要があるのです。

女性は、コミュニケーションに他人とのつながりや癒しを求めがち。
だから女性は共感力を大切に思うのでしょう。

説明力とは1語に絞る力、共感力とは話を広げる力

説明力は左脳の力、共感力はう脳の力

説明力と共感力は同じコミュニケーション力の範疇に入れられますが、実は正反対の力なのです。
使う脳の部位も別ものです

説明力とは極端に言うと、究極の1語へと言葉を絞って行く力です。
使うのは論理性となります。
主に仕事の力と言ってもいいでしょう。
活用する脳の部位は左脳となります。

反対に共感力とは、相手の気持ちを感じ取り、それをわかってあげる力。
こちらは想像と言葉を広げ、話を拡大する力です。
説明力とは真逆の働きをすることがおわかりでしょう。

主に雑談や人間関係を司る力で、相手の気持ちを癒す効果を持っています。
活用するのは右脳。感情や五感(匂い、視覚、聴覚、味覚、肌感覚)を司るところです。

使う脳の部位からして違うのですから、説明力と共感力を同じコミュニケーション力として扱うのは無理がありますね。

コミュニケーション力とは、説明力と共感力の2つを合わせ持つこと

説明力に優れた人はビジネス社会で成功する力を持ちます。
つまりお金を稼ぐ力を持つ人です。
人が生きて行く上で、収入は大事ですからこの力は欠かせません。

次に共感力とは人間関係の力です。
仲間を作り、争いになりそうなところを穏やかに収め、上手にストレスを吐き出す。
円満な家庭を築き、異性の気持ちをつかみ、組織の結びつきを強くし、健康を守る。
共感力は幸福の源です。

人生には成功と幸せ、この両輪が必要です。
片一方だけでは、いい人生とは言えないでしょう。

仕事はできるけれど、友人関係も家庭もうまく行っていない。
そんな人は、共感力にチャレンジするべきです。

友人も多いし、家庭もうまくやっている。
でもお金は思う通りには入って来ない。
そんな人は、説明力を是が非でもマスターすべきです。

説明力も共感力もないなと感じるのなら、
大急ぎでどちらかの力を磨くスタートを切るべきでしょう。

あなたに今必要なのは、説明力ですか?
それとも共感力ですか?

コミュニケーション力ってなに?:まとめ

  1. コミュニケーション力には、説明力と共感力の2つがある
  2. 男性がコミュニケーション力と言う時は、説明力を指している
  3. 女性がコミュニケーション力と言う時は、共感力を指している
  4. 説明力とは究極の1語へと言葉を絞って行く力
  5. 共感力とは言葉を広げ話を拡大する力
  6. 説明力は成功につながり、共感力は幸福を招く

ただ「そうですね」と言える人は人間関係がうまくいく

どこに行ってもいい人間関係に恵まれる人がいます。
傍から見ていても他人と何ら変わらないことをしているのに、わずかの間に様々な人たちとコミュニケーションの輪を作っている。
この人のコミュニケーションには、凡人とは異なる秘密があるはず。
それを解き明かして、多くの方に幸せになって頂きたい。

そんな願いを込めて作りました「毎日使おう!人を幸せにする素敵な言葉」

今日のテーマは「そうですね」と自然に言える思いやり。

「そうですね」の言葉が作る共感の輪

「そうですねぐらい誰だって言えますよ」とあなたも思ったことでしょう。
おそらくそれは、相手の言葉に納得した時のことを想像して言っているのではありませんか?
実は相手の思いをくみ取って、素直に「そうですね」って言うのはなかなかむずかしいものなのです。

例えば、誰かに「今日は寒いですね」って言われたけど、自分の感覚としては寒くない時などはどうですか?

「今日は寒いですね」
「そうですか?自分は暑がりの方なので(北国の生まれなのでetc)、これぐらいは寒くありませんけど」なんてつい言ってしまいがちなのが人間です。

会話とは事実と正しいことを互いに言い合うこと。そんなふうに受け取っている人は多いものです。

でも、人が「今日はいいお天気ですね」「今日は寒いですね」「暑いですね」「雨ですね」と言う時、あなたの意見など求めているわけではないのです。
このことに気づかずに、つい自分の主張をしてしまうと、相手の人は寂しく感じて、あなたに距離を感じてしまいます。

人は心のつながりを求めて「いいお天気ですね」と言う

人が「今日はいいお天気ですね」とか「寒いですね」と言う時。
それはあなたとの心のつながりを求めていると受け取って下さい。

だから、その時あなたに求められているのは、「そうですね」と爽やかに言い、相手の気持ちを受けとめることなのです。

「今日はいいお天気ですね」「本当に♪」と。

これで相手は「自分の気持ちを受けとめてくれた。この人は良い人だ」と感じます。
これを共感と呼びます。
ここから親しみや信頼が生まれるというわけです。

妻は夫のこんなコミュニケーションにイラつく

私たちの身近でもこんなミスはいっぱい転がっています。

例えば、妻が朝「今日は寒いね」なんて言った時、
夫が「こんなので寒いって言っていたら、真冬はどうするんだい。こんなのまだ序の口だよ」などと正論を言うような場面、どの家庭でも時々ありそうですね。

これは、よくある夫婦のコミュニケーショントラブルへと発展します。

この時、妻の気持ちはとても寂しいものです。夫が心のつながりを拒否したわけですから。
驚く人もいるでしょうが、これが夫婦の間に小さな歪を作り、こんなことが積み重なって亀裂へとつながっていくのですから恐ろしいのです。

「今日は寒いね」と言われたら、よほど暑苦しい時でもない限り「そうだね」と言ってあげることが優しさなのです。
そして、それが「愛している」ということにつながります。

恋人ができない、婚活がうまくいかない、友人ができない、などという人にも同じことが言えますから、一度自分を振り返ってみるのもいいでしょう。

子供が親に語りかけて来た時はもっと大事です。

「このラーメン美味しいね」と言われた時に、「お父さんはもっと美味しいラーメン食ったことがあるぞ」なんて言うのも、子供に寂しい思いをさせます。
余計なことなど言わないで、「ほんとだね、美味しいね」と子の言葉を受けとめてあげるのが、愛というものです。

ただ相手の言葉に反応して事実や正論を言っていればいいと、ぼんやり生きている人は人間関係を悪くしがちです。
人間は他人に対する期待と不安を持っています。
その気持ちを知り、うまく対応できる人が人間関係を円満に、幸せに過ごすことができるのです。

自然な「そうですね」が言える人は人間関係がうまくいく:まとめ

  1. 人は心のつながりを求めて「いい天気ですね」「寒いですね」などと言葉を投げかける
  2. その時に「そうですね」と受けとめることで互いの心がつながる
  3. これこそが共感力
  4. 正論やあなたの意見はいらない
  5. 時に夫婦に隙間、子供の心に不安を形作るので要注意
  6. 人間関係に恵まれない気がする人は、自分自身のコミュニケーションを振り返ってみることをお勧めします

就活の志望動機で「人の役に立つ仕事をしたい」はNGの理由

コロナ禍によって、突然学生の就活が厳しくなりました。
今年就活を迎えるみなさんには本当にお気の毒としか言いようがありません。
少しでも就活のお役に立てるよう、コラムを充実させていきます。

「人の役に立つ仕事をしたい」という志望動機は、なぜ面接官にヒットしないのか

学生の方に就活個人レッスンを行っておりますと、志望動機で多くの人が
「人の役に立つ仕事がしたい」と言うのを耳にします。

しかし、「人の役に立つ仕事をしたい」という志望動機は、面接官の心証にヒットしない可能性が高いのです。

なぜか?

人の役に立つ仕事をしたいという動機の裏側には、「感謝されたい」という気持ちが隠されているかもしれません。
感謝されつつ働くというのは、本当に理想の形。
確かに働き甲斐があります。

しかし、それがいかに大変なことか、望んでも望み切れるものではないことを、面接官はよく知っているのです。

こんな高い理想を持って働き始めた新人が、仕事をはじめて全く感謝されない期間が続いたら、この人は仕事を続けることができるのか。
そんな疑問と不安を面接官は抱くのです。

人の役に立つまでに新人を待っている試練

面接官は社会人経験が長いので、知っています。
甘いイメージを持って就職して来た人たちが、どんなに悩むかを。
いたずらに不安を煽るつもりはありませんが、事実をいくつか挙げてみましょう。

①人の役に立つには実力がいる

当然のことですが、人から感謝されるにはそれ相応の仕事の力が必要です。
しかし社会人になりたての人が、いきなり人様の役に立つことはむずかしいのです。
その試練の期間を耐え忍び、力をつけた人だけが、他人から感謝される実力を身につけることができます。

②企業とは人から感謝される場所ではないことが多い

働くとすぐにわかります。企業とは利益を追求する組織です。
だからある時、顧客の利益と企業の利益がぶつかる時があります。
その時、顧客に多少の損が出ても、企業の利益を追求せよと言わんばかりの指示が出ます。

広告の仕事を例に説明してみましょう。

30万円の広告費を顧客から頂いて、そこからの売上が10万円以下であることなどざらにあることです。
顧客は広告を出して損をしますから、感謝するどころか「金返せ」と怒ります。

次に求人の仕事。
企業は30万円の求人費用を三か月続けて、応募して来たのはたった3人。
そのうち面接に来たのは2人で、1人は無断キャンセルでした。

面接を受けた2人の内、1人は採用するにはあまりにレベルが低く、採用した1人は出勤日に出社せず、結局採用は0。
こういうことはよくあることなのです。

でもあなたが勤める会社は顧客にお金を返すことはありません。
営業担当者は顧客から罵倒されることもざらにあります。なにせ90万円をドブに捨てたも同じなのですから

これが働くということなのです。
それはメガバンクでも一流証券会社でも、自動車メーカーでも、どんな一流企業でも起こりうること。

その時、担当者は顧客が納得するまで謝り続け、ようやく解放されます。
そこから粘りを発揮して何度も同じ店(会社)に通い、「帰れ、用はない」と罵られながら、何とかその会社の経営者に認められ、また広告や求人を出してもらい(並大抵の努力ではありません)、よくよく話をし、その会社の特徴を洗いざらい研究し、ある時ようやく広告費に倍する売上を作り、またびっくりすような人材を採用できることがあるのです。

この時初めて顧客は喜び、「ありがとう。〇〇さんが担当してくれて良かった」と感謝の言葉をくれます。
ここまで来るのに、本当に長い長い月日と勉強と経験、忍耐が必要なのです。

③人の役に立つことは儲からない

働くとはそういうものです。
企業とは人の役に立つことを第一目標とはしていません。
もちろん利益を上げた上で、お客さんに喜んでもらえたらいいのですが、もしどちらかを取るとしたら、企業は自社の利益を優先します。

だからあなたに給料が払えるのです。

本当に人の役に立つ仕事がしたいのなら、無給でもいいと言い切る決意がいります
そういう人はごくごく少数でしょう

働くとはこれほど苦しいことなのに、安易に「人の役に立つ仕事がしたい」と口にする学生に、面接担当者は「ああ・・・」とただそう思うのです。

もしあなたがここまでのことを理解して、その上でも「人の役に立つ仕事がしたい」と言えるのならば、それは面接官の心に届く言葉になるかもしれません。

そのためには次のような準備をしてみてはいかがでしょう。

社会人としての先輩に就活の教えを乞う

さて、これから面接に赴く学生の方にアドバイスを送りましょう。
身近にいる大人たちに、働くとはどういうことか、会社ではどんな経験が待っているのかを、教えてもらうことです。

きっとここで私がお話をしたようなことが、ずらずらと出て来るでしょう。

それはアルバイトとは全く違う世界。

教えを乞う人は、実はあなたのすぐ身近にいます。
例えば、父親。そして母親。
彼らは長い間仕事の現場に立ち、甘いも辛いも全て味わって来た人生の先達。
それはそれは深い経験と現実を知っています。

それ以外にも、兄弟や学校の先輩。
バイト先の社員、立ち寄ったお店の方など、教えを乞う人たちはいくらでもいます。

質問は、その実情に肉薄する直球でいいでしょう。

  • 「仕事をしていて、どんな時に喜びを感じますか?」
  • 「どんな時が辛いですか?」
  • 「学生の時に思いもしなかった現実ってありましたか?」
  • 「バイトと正社員、何が違いますか?」
  • 「あなたを支えているものは何ですか?」

こんな話を聞かせてもらって現実を知ることは、あなたのためになります。
そこからもう一度働くということを考えて、そこから志望動機や自己PRを作り直せばいいでしょう。

ふだんから親と口を利いていない人は、人生の先輩として礼を持って接し、教えを乞うことです。
もしかすると、話を聞いた後で父親や母親に尊敬の気持ちを持つかもしれません。

それは、あなたの人生にとても大きなプラスをもたらすことになります。
このタイミングで就活をする不運を嘆くより、与えられた条件や境遇の中で全力を尽くすことが、あなたの未来を救うことになるでしょう。

ご健闘をお祈りしております。

「人の役に立つ仕事をしたい」という志望動機は、なぜ面接官にヒットしないのか:まとめ

  1. 新社会人がすぐに人の役に立つことはむずかしい
  2. 企業とは必ずしも人の役に立つ存在ではない
  3. 企業は人の役に立つことよりも自社の利益を優先する
  4. 学生は、「働く」ということを今のうちに社会人の人から聞かせてもらう経験が必要
  5. とくに父親、母親の話を真摯に聞くことはとても大事

一緒にいて居心地のいい人悪い人 出版記念 一番いいところをこっそりご紹介

20歳年下の人とうまく話ができますか?

4月発売!「一緒にいて居心地のいい人悪い人」(学研)の出版を記念いたしまして、TALK&トークファンの皆さま方にそのクライマックスを少しだけご紹介させて頂きます。
ぜひご一読下さいませ。

今回は 第5章 20歳年下の人とうまく話ができますか? から

【6】若い人が聞きたいのは、失敗や挫折に直面した時の話

年下に尊敬されるには成功談か武勇伝という思い込み

若い人の話を聞くばかりがコミュニケーションではありません。あなたの話もぜひ若い人に聞かせてあげてください。
しかし、何を語ればいいのでしょうか。もっと直截に言えば、どんな話をすれば、若い人が「あなたの話を聞こう」と思ってくれるのでしょうか。

多くの大人が自分のいいところを話したがります。
それで若い者が尊敬してくれるだろうと思うからで、だからこそ男は成功談や武勇伝を語りたがるのでしょう。反対に成功談のない人は「人に話すことなどない」とあきらめて無口になります。

けれども、これは思い込みから来る誤解です。
若い人が年上の人に聞きたいのは、あなたがピンチに遭った時の話です。ピンチでもがき苦しむあなたが、そこでどう対処しどう立ち直ったのかという人間くさい物語です。
それは聞く人にとって将来の手本となります。自慢や武勇伝など役に立たないので、誰も聞きたくありません。

●優秀で魅力的な大人ほど、失敗談を話す

とくに優秀でスキのなさそうな人ほど、失敗談や挫折体験をするべきです。若い人にとっては手本となるのはもちろん、「至らない自分を隠す必要がない」という教訓を彼らも感じ取って安心できるでしょう。
例えば、こんな話はどうでしょうか。

「まだ20代のころ、当時の本部長にたてついて地方の支店に飛ばされ、やけになって会社に行かなくなった。するとその時の支社長がアパートまで来て、自分の話を聞いてくれた。
このとき言われたのが、『人の言葉に左右されず、自分の行きたい道を行け』という言葉。この言葉で考え方が変わって、地道に働いた。すると3年後、本部長が失脚して本社に戻れた。あの時の支社長の一言がなければ、自分はこの会社で今の立場になれていなかったはずだ」

この物語の中に、できれば当時の生々しい感情も添えてみましょう。
  「本部長のやり口には、本当に腹が立ってね」
  「支店にとばされたときは、まさに絶望したな」
  「3年地道に働きながらも、自分の無力さに時々負けそうになったよ」
経験者の本当の話を伝えられたら、若い人でなくても聞き入ってしまうでしょう。それは彼ら自身が将来ピンチになった時に、手本となる姿だからです。

●子どもにも、親の本当の姿を語る

子どもに対して「お父さんは子どものころ全然勉強しなかったんだよ」という話はできないと信じている親は多いものです。
しかし、いまのあなたの姿を見れば、子どもはあなたの子ども時代に関してなんとなく想像がついているものです。だからこそ、子どもには親の泥臭い話をどんどんしてあげるべきと私は思います。

とくに優秀な親ほど、子にはカッコ悪い姿を見せてあげるべきです。
  「高校生の時、塾の帰りに、親には勉強会と称して友達とカラオケBOXに行っていた」
  「おじいちゃんのエッチな本を、こっそり見ていた」
  「クラス一綺麗な女子のファンクラブを作ったが、会員の誰も相手にされなかった」

優秀な人ほどこうしてスキを作り、子どもや部下をほっとさせるゆとりが必要です。
「自分も至らないところがあっていいんだ」と思えることは、人にとっては生きて行く上で大事なゆとりとなります。それが理由で子どもが勉強しなくなったり、部下が仕事の手を抜いたりすることはありません。

●生徒はベストセラー作家の何を聞きたがるか

私は10年前にある本を書き、それが100万部を超えたことがありました。それ以降に知り合った生徒はみな、私が成功をいとも簡単に手に入れたと思っています。
しかし私はそれまでの20年近く、貧乏でしがない話し方教室を続けて来たのです。
この話をすると生徒たちはみなびっくり。興味津々で次々に質問をはじめます。

  「どうしたらそんなに長く希望を保ち続けることができたのか」
  「家族は反対しなかったのか」
  「どんな策をとったのか」
  「もし成功できなかったら、どうするつもりだったのか」

これらの問いかけに対し、私は苦しんだこと、もがいたこと、挫折したことを隠さずに話すように心がけています。
長く生きれば、誰にでもこのような修羅場、崖っぷち体験があるのではないでしょうか。そういう話を聞かせてもらえるなら、きっと若い人たちもあなたの話をもっと聞きたいと思うでしょう。
他人の生の物語に触れる機会は、そうはないものです。あなたが自分の人生のストーリーテラーになれたなら、年の差がどれほど離れた若い人とでも、会話に苦労はないはずです。

このコラムは出版されたばかりの野口敏の著作
「一緒にいて居心地のいい人悪い人」(学研)
第5章 20歳年下の人とうまく話ができますか?
 

【6】若い人が聞きたいのは、失敗や挫折に直面した時の話

よりお届けいたしました。

20歳年下の人とうまく話ができますか?:まとめ

  1. 若い人は年上の失敗談が好き(手本になるから)
  2. 優秀な人ほど「自分が駄目だったときの話」をするとよい
  3. よくできる親は、子供にすきを見せてあげると、子がのびのび育つ
  4. 苦しんだ経験などのネガティブな内容こそ、包み隠さず伝える

一緒にいて居心地のいい人悪い人 出版記念 内容をこっそりご紹介

大事な人の心を鷲づかみにする気持ちの伝え方

四月発売!「一緒にいて居心地のいい人悪い人」(学研)の出版を記念いたしまして、TALK&トークファンの皆さま方にその内容を少しだけご紹介させて頂きます。
ぜひご一読下さいませ。

まずは 第3章 誰も気づかなかった、心を鷲づかみにする気持ちの伝え方 から

【1】「MYストーリー」よりも「YOURストーリー」

〈私が主役〉の物語、〈あなたが主役〉の物語

少し話しただけなのに、心をつかまれてしまう人っていますよね。その人から贈られた言葉はいつまでも心に残ります。それがLINEやメールで送られたものなら、保存をして、ふとした時に見返して元気を取り戻す材料にすることさえあります。

それを贈ったのがあなたなら、相手の人はそのメッセージを読むたびにあなたを思い出します。この時その人は、あなたに心を鷲づかみにされているのです。

そういう会話やメッセージには、ある法則があります。それは相手が主役になっているということです。
会話でもSNSのメッセージでも、ほとんどの人は「私」の話をするものです。それをこの本では「MYストーリー」と呼びます。反対に、相手を主役にしたもの、または相手を心に置きつつ送るメッセージを「YOURストーリー」と呼びます。

●儀礼的な挨拶にも心をつかむポイントが

例えば、やや形式張ったつきあいの相手からこう問われたとしましょう。

相手「お風邪などお召しではないですか?」

こういった儀礼的な挨拶への返事でも、MYストーリーとYOURストーリーのどちらで答えるかで、あなたの印象は大きく変わります。

あなた「ええ、体は丈夫なものですから」

これがMYストーリーです。
この時のあなたの心にあるのは自分自身。「自分の優れたところをわかって!」とアピールしたい気持ちがありありと伝わって来ます。

あなた「〇〇さんはいつもお気遣い下さって、優しい方ですね」

こちらがYOURストーリー。
会話をする時に自分をアピールするよりも、相手の存在を心に置いてメッセージを送っています。人の心をつかむのは、当然こちらの人に決まっています。

誰もが自分が主役でいたい

新入社員のあなたが、先輩からこう聞かれたとしましょう。

先輩「もう慣れたかい?」

職場にも仕事にも慣れてきたあなた、まずは「はい」と答えましたが、その後は、さあ、どう続ければいいでしょうか。

あなた「はい。人に馴染むのは早い方なんで」

MYストーリーです。また、こういう返事は血気にあふれ「優れた人こそ愛される」と勘違いしている人によくあり、職場では浮いた存在になりがちです。気をつけた方がいいですね。

あなた「はい。先輩をはじめ職場の皆さんが温かいので、すぐ慣れました」

まさにYOURストーリー。こんな新人がいたら、入社させた人事のセンスにバンザイです。
自分のことを心に留めて、自分を主役にして話をしてくれる。こんなことを言ってくれる人、メッセージを送ってくれる人なら、誰だって好きになるに決まっています。
反対にMYストーリーを乱発する人は評価を下げがちですから、気をつけないといけません。

LINEでチェック、あなたのメッセージは〈MY〉?それとも〈YOUR〉?

では、ふだんあなたが他人に出しているメッセージは、YOURストーリーでしょうか、それともMYストーリーでしょうか。それはあなたのLINEを見れば、一目瞭然です。証拠がはっきり残っているので、ここで一度チェックしてみましょう。

 「帰りは21時ごろです」
 「晩御飯はいりません」
 「10分遅れます」

LINEで一番多いのはこのような用件でしょう。自分の都合を伝えるいわば道具的なメッセージです。もちろんLINEは基本的に用件を伝える道具ですから、それが悪いということはありません。
ただ、相手の立場からみるとどうでしょう。送られてくるメッセージのほとんどが自分の都合だけであれば、「この人は自分を大事に思っていない」と感じ、寂しく思うでしょう。
とくに家族や長く付き合っている恋人へのメッセージは、手を抜きがちになります。自分の一番大切な人に手を抜くと、その人の心を失うことにつながります。

●コメントにMYストーリーの嵐が吹き荒れる

では、用件以外のメッセージはどうでしょうか。夫や妻、子ども、友人、職場の人に送ったメッセージに綴られているのは、自分のことばかりではありませんか。

 「毎日残業で疲れる」
 「ランチなう」
 「電車、遅れてる。もう15分も待っている」

こんなものばかりなら、相手にとってあなたからのメッセージは価値の低いものになり、ただ読み飛ばされるだけの存在になっている可能性があります。
次に、知り合いからのメッセージを見てみましょう。ほとんどの人が見事なMYストーリーのはずです。
私の生徒の一人は、会社の同期からのLINEメッセージを見直してこう笑いました。
「『いまドトール』とか『雨で暇だからマンガ50巻一気読み』とか、自分のことばっかり。私からしたらホントどうでもいい!」
まさにMYストーリーの嵐。MYストーリーならぬMYストリームです。

人は自分をわかってほしい生きもの。だから会話でもコミュニケーションツールでも、「私」という主語を使って語ることが多いのはしかたありません。しかしそれは、相手の心には何もひっかからないMYストーリー。心の中では既読スルーになってしまうのです。

「あなたのことを気にかけています」、そんなメッセージを使える人に

とはいえ、LINE使用者がいつもMYストーリーばかり発信しているわけではありません。例えば、あなたの家の近くを台風が通過した、あるいは近くで地震があったという時には、こんなメッセージがLINE仲間から届くでしょう。

 「大丈夫ですか?」
 「被害は出ていませんか?」

こういったメッセージに触れると、誰もがふと嬉しくなることでしょう。それは「あなたのことを気に留めています」というメッセージであり、YOURストーリーだからです。
その人の中に、私という存在がいる──そう感じるだけでも、メーセージを受けた人は心が温かくなり安心感が生まれます。そういう言葉を意識していつも使えたら、あなたの人間関係は今とはずいぶん違うものになるでしょう。

●人は誰もが自分をわかってくれる人を求めて人生をさまよう

なぜYOURストーリーをもらうと人は喜ぶのでしょうか。それは誰もが自分のことをわかってほしいと願いつつ暮らしているからでしょう。
でも、世の中に自分のことをわかってくれる人など、そうはいないのが現実です。
妻も夫も、上司も部下も、誰もが自分のことをほとんどわかってくれていない──そんな寂しさを心に隠して、みんな生きています。(だから男は自分をわかってくれる人を求めて、夜の街に繰り出すのでしょう。そういうところの女性はYOURストーリーで相づちを打てるプロですから)

だからこそ、あなたが今日会った人のことをわかってあげられる人になれたら、あなたはその人の印象に強く残り、大切な人と思ってもらえるに違いありません。
「そんなこと言われたのは初めて!」
相手にそう言わせてしまうYOURストーリーでの伝え方を、次項からお話しします。

このコラムは出版されたばかりの野口敏の著作
「一緒にいて居心地のいい人悪い人」(学研)
第3章 誰も気づかなかった、心を鷲づかみにする気持ちの伝え方
【1】「Fストーリー」よりも「YOURストーリー」
よりお届けいたしました。

近々、第5章 20歳年下の人とうまく話ができますか?
【6】若い人が聞きたいのは、失敗や挫折に直面した時の話

をまたこのコラムでご紹介いたします。

一緒にいて居心地のいい人悪い人 出版記念 内容のご紹介:まとめ

  1. 〈私〉が主役のMYストーリー、〈あなた〉が主役のYOURストーリー
  2. 自分のコミュニケーションがどちらか、LINEを見れば一目瞭然
  3. YOURストーリーは「自分のことをわかってほしい」という欲求を満たす

「わかるー」はわかってない人が言う言葉

良かれと思って使っている言葉。
その中に、知らない内に相手の気分を悪くし、関係を壊してしまうNGワードが潜んでいます。
相手の気持ちに無頓着な人は、知らぬ間に相手から嫌われていることがあるのです。

そんな言葉を毎回一話ご紹介する、「気をつけよう!相手を怒らせるNGワード」。
今回は、「わかるー」はわかってない人が言う言葉。

人を怒らせるNGワード

巷でも共感力について、様々に語られるようになって来ました。
ネットなどで情報を得た男の人が、女性の話を聞くとやたらと「わかります」を連発するようになったとか。

それはこんな会話になるようです。

女性「私、地図が読めなくて、その場所に一回で行けたことがないんです」
男性「わかります。僕もそうです」
女性「(ほんとかよ)」

こんな「わかります」に、話し手はしらけてしまうもの。

実は私も似たような経験があります。
野口「本を書くのって、本当に重労働なんです。身を削りながら書いている感じです」
生徒「わかります。私も社内報を書いた時はそんな感じでした」
野口「(社内報と同じかい!)」

わかるって言えば、わかってあげたことになると思い込んでいるようです。
言われた方は、相手が本当にわかってくれているのかどうか、五感で感じ取れるもの。
「わかります」のひと言では、わかってもらえたとは思わないものです。

※ ただし同じ経験、同じ境遇にある人が使う「わかる!」はとても効果的です

共感とは相手の話を我が身で感じたものを返すこと

共感をただ言葉を返すことだと思っている内は、他人と本当に心を通わせることはむずかしいでしょう。

共感するとは、

  • 相手の話を聞いてそれが我が身に起こったこととして想像する
  • 自分ならどう感じるだろうかと想像
  • 感じたことを言葉にする
  • という流れから言葉が生まれることを言います。
    ですからその口から洩れ出る言葉には生の感情があり、本気で感じている臨場感が伝わって来ます。
    だから相手も本気でわかってくれていると思うのです。

    例えば地図が読めない女性の話を聞く時も、
    女性「私、地図が読めなくて、その場所に一回で行けたことがないんです」
    と言われたら、その場面を想像してみます。

    駅を出た。地図にある目印を探す。「あれかな?」。でもここを右?それとも左?
    しばらく歩いてみるけど、道がどんどん細くなって行く。
    その時、どんな気持ちになるか想像してみて下さい。

    するときっとこんな会話になるはずです。

    女性「私、地図が読めなくて、その場所に一回で行けたことがないんです」
    男性「ああ、地図を読むってむずかしいですよね」
    女性「〇〇さんも苦手ですか?」
    男性「そうなんですよ。道がどんどん細くなって行って、心細くなって行きますよね」
    女性「そうそう、そうなんですよ!ちがうなーって思うんですけど、だからと言ってどこへ行けばいいのかわからないんですよね」
    男性「そうなんですよ。でももうもとにも戻れなくて」
    女性「うわー!そういうことしょっちゅうですよ」

    共感力があれば恋をするのも苦労しない

    共感とは共に感じること。
    地図が読めないと、だんだん心細くなって行く。
    こんな気持ちが感じ取れたら、恋をはじめるのにも苦労はないでしょう。

    共に感じてくれるから、相手はあなたに親しみと好意を感じるのです。
    相手の気持ちが「わかる」のなら、もっと具体的な言葉と感じた気持ちを伝える努力が必要です。

    「わかるー」はわかってない人が言う言葉:まとめ

    1. ただ「わかります」と言うだけでは、相手はわかってもらえたとは受け取らない
    2. 共感とは共に感じる力。相手の話を聞いたら、その場面を想像すること
    3. 自分ならそのことをどう感じるか、想像する
    4. そこから感じたものが口から洩れ出る。それが共感