相づちが起こしている奇跡に、ほとんどの人は気づいていない
こんにちは、大阪でコミュニケーション、話し方を教えているTALK&トークの野口敏と言います。
今回は、最も早くコミュニケーション力がつく、意外なスキルについてお話をします。
コミュニケーションが苦手な人が、最も目を向けなければならないのは
「相づち」なのです。
「えっ? 相づち? そんなものいつもやってますよ」
誰でも思わずそう言ってしまうのが相づちです。
職場も家庭でも人間関係がうまく行っていなかった生徒氏
まずは、相づちを磨いただけで「人生が変わった」と目を丸くする生徒さんのお話をしましょう。
彼は30代後半、福岡県にお住まい。
職場の人間関係がうまくいかず転職をすることになり、
「次の職場にはスムーズに入って、いい仕事をしたい」という動機で
コミュニケーションスキルUP講座に入会されました。
あとで聞いた話だと、奥さんとも離婚の話をしている最中だったとか。
まさに孤立無援の厳しい状態だったのです。
相づちを磨いただけで、すごく価値のある情報をもらいました!
そんな彼が「習った中で一番役にたったのは、まさかの相づちでした」と教えてくれたのです。
退職するので、彼の仕事を引き継ぐ3人の人に仕事を教えていました。
レッスンで習った相づちを一生懸命使っていたら、この3人との関係もとても良かったそうです。
その中の一人に同年代の男性Aさんがいたのですが、そのAさんとよくランチに行くようになったのだとか。
「それだけでも、私にはもう奇跡でした。職場の人と昼飯を一緒に食べるなんて、
この10年なかったことでしたから」と彼は言います。
さらに彼を驚かせたのは、ちょうど趣味の株のサイトをスマホで見ていた時のこと。
それが目に入ったAさんが、「○○さん、株がお好きですか」と話しかけて来たというのです。
そして、「もうすぐ退職でお別れだから、いいことを教えましょう」と言ったのだとか。
「それがAさんが長年研究して築き上げた、AIを使って債券で利益を出す方法だったのです!」と彼。
「そんな極秘情報をいいんですか!?」と聞きましたが、
「ええ、お世話になったお返しです」とAさん。
「話を聞いてびっくりしました。そんじょそこらでは聞けない、プロ並みの情報で、
さっそく使わせてもらって、利益が出てます」と彼もびっくりしてました。
「お世話になったとAさん言ってましたが、
ただ昼休みにAさんの話にレッスンで習った通りの相づちを打って話を聞いただけなんですよ」と彼。
本当に気持ちの入った相づちには、親しみの気持ちを倍加させる魅力があるのです。
「職場の人間関係なんて面倒くさいだけ」という声を時々聞きますが、どんな人間関係でも疎かにしてはいけませんね。
「あと3年早く習っていたら、離婚もしなくてすんだのに」
「あと半年早くコミュニケーションを習っていたら、会社を辞めることもなかったですね」
「そしてあと3年早く習っていたら、離婚もしなくてすんだでしょう」
そう彼は言ってくれました。
「でもこれで新しい会社では、その場の人たちとうまくやれそうです」
「それに、女性との新しい出会いにも期待が持てそうです。前の自分とはかなり違う人になっている気がしますから」
その時の彼は表情も明るく、笑顔でした。
魅力的な相づちの秘密は、「感情」にあり
多くの人が「たかが相づち」と思っていたものは、
実は相手にとっては「心の栄養」だったのです。
それはふつうの人間関係では、なかなか贈ってはもらえない宝もののようなもの。
みんな自分が話すことばかり考えているから、いい相づちなど打ってはくれませんからね。
だからいい相づちを使える人には、「親しみ」「愛情」そして「情報」が寄って来るのです。
コミュニケーションがうまく行っていない人の相づちには、感情が足りません。
自分が話すことばかり考えていて、相づちが上の空っていうこともよく見かけます。
「はい」とか「ええ」という単調な相づちでは、心の栄養にはなりません。
そこには感情が必要なのです。
相づちは人間同士の心を結び付ける、橋のような役目を担っています。
心がつながるから、友ができ、恋人が生まれ、結婚しようと思います。
実は脳科学の世界でも相づちの効果は研究が進んでいるんですよ。
「いい相づち」を打っていると、自分も緊張せずに楽しい話ができるという驚きのお話です。
まさか相づちがうまいと、話も面白くなるなんて!
それはまたいつかのコラムでお話をいたしましょう。
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