まだ間に合う、読書感想文の書き方

夏休みももう終盤。
ぼちぼちお尻に火がついて、
宿題やらねばなーと思いつつ、
「あと2週間あるし」と
呑気にスイカを頬張る小学生もたくさんいるでしょう。

さて、私も子供のころに悩まされた読書感想文。

子供に書き方をどう教えてよいのやらとお悩みの
親御さんも多くいらっしゃるはず。

私ももの書きの端の方の端くれ。
その効率のいい書き方ぐらいは知っているので、
ご紹介しようと思います。

60分で書ける読書感想文

400字詰め原稿用紙3、4枚程度なら、
書こうと思えば1時間もかかりはしないと思います。

読書感想文の王道、「走れメロス」を題材に
書き方をお話ししましょう。
 
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読書感想文を書く時の手順
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① どの気持ちを書くのか、テーマを決める

 
感想文はあら筋を書くものではありません。
そこに自分がどのようなテーマを感じたか、それを書きます。
だいたいは何らかの気持ちについて書くと受け取って下さい。

走れメロスなら「友情」「信頼」「迷い」そんなところでしょうか。

その中でテーマは1つに絞ります。
「友情」について書いていたかと思えば、次は「迷い」について書いているなんて言うことのないように。

② どの部分に、書こうとするテーマを感じたのか具体的に書く

 
例えば「信頼」で書くなら、本文中のどの部分にそれを感じたのか、
2つ3つ選びます。
出来ればセリフでそれを見つけられますと、読む人もその場面をありありと想像出来てなお良いです。

ここまでで感想文の半分を使います。

③ そこから自分のエピソードへと展開する

 
読書感想文とは言え、結局は自分の物語を書くものなのです。
自分の中に「信頼」に値するストーリー、
経験、思いがあるかどうか、よく振り返ります。

実は、自分の中にどんな物語があるのか、
それを先に見つけてから感想文のテーマを決めますと、より効率的です。

残りの半分は、自分の物語を書きます。

この3段階を駆使して感想文を書きます。
例えばこんなふうに。

走れメロスの読書感想文

走れメロス

色々あってメロスは暴君の王様から死刑を宣告されます。
この王様は人を信じる心を失くしておりました。
たった一人の肉親、妹の結婚式を間近に控えていたメロスは
王にこう頼みます。

「三日だけ猶予を下さい。私の身代わりに友人を置いて行きます。
私が帰らぬ時は友人を死刑に」

友人にはなんの連絡も、なんの承諾も取らずに。
自分勝手もいいところです。
友人には降って湧いた災難。
私なら「知らん」と断るところですが、なんとこの友人は快諾するのです!

「メロスを信じている」と。

何と言う信頼。
私はメロスよりも、この友人に深い尊敬の気持ちを抱きました。
メロスは妹の結婚式を無事にすませ、戻る道で様々な災難、妨害に遭いながらも
夕日が沈む王宮へと走りに走って帰るのです。

これを見た王は、人を信じる心を取り戻し、メロスを許します。
めでたしめでたし。

私ならここまで友人を信じることが出来るでしょうか。
どちらかと言うと友人の立場で、命をかけて友を信じることが出来るでしょうか。

先日、友人の上田くんとたこ焼きを食べました。  
12個入りでした。

上田くんは食べるのが早く、私が2個食べる間に彼はもう4個食べています。
このペースで行くと私が4個で上田くんが8個。
上田くんは、なんと言っても4人兄弟なので、争いに慣れています。
こんな時、一人っ子でのんびり育った私は不利なのです。

理不尽だと思いました。
せめて私が5個で上田くんが7個でありますように。
むせかえりながら急いでたこ焼きを口に入れました。

すると上田くんはこう言ったのです。
「もう6個食べちゃった。野口くんはまだ3個残っていていいね」

ああ、ごめんなさい上田くん。
私はあなたを全く信頼していなかった。
人として恥ずかしい。メロスごめんなさい。

さらに私は残りの3個を一人で食べてしまいました。
「上田くん、もう1個おたべよ」
メロスならきっとこう言ったのに違いありません。

(完)

序文、感想文の手順も含め、この文章全体で50分程度で書けました。
あなたのお子様もきっと1時間もあれば、感想文撃破です。

裏技として、私が書いたあら筋の部分をそのままコピー。
残り半分のエピソード部分を、自分なりのものに書き直せば
立派な感想文の出来上がり。

今日が8月31日の深夜近くならば、このまま全部コピーして
明日提出されるのもいいでしょう。

担任の先生からお尋ねが来ても「知らぬ存ぜぬ」で
答えておきますから。

実はお話を作る要領も同じです。
お話が上手な人は、読書感想文もうまい。
ぜひお話もTALK&トークで学んでみて下さい。

<補足情報>ご子息が本を読むのも面倒くさいと言うのなら
youtubeで「本のタイトル 朗読」で探すと、朗読をしてくれる便利なものもあります。