教えるのがうまい人、下手な人

教えるのがうまい人、下手な人

私はゴルフが大好き。
週に2回ぐらいは練習場に通っています。

練習場には様々なインストラクターがいて、生徒を教えています。

教え上手もいれば教え下手もいます。
教え上手は少ないけれど。
教え上手には秘訣があります。

これは仕事での指導、子供への教育、その他あらゆるケースに当てはまることのように感じます。
今日はその秘訣のひとつをお話しましょう。

教えるのがうまい人は、言葉が短いのです。

シンプルでしかも的を射ている。
これが何よりの秘訣。

上手なインストラクターは

『インパクト(ボールにクラブが当たる瞬間)の手前30センチから、
インパクトの後の30センチが命です』

と、これしか言わない。

そしてその間60センチの軌道を何回も指導する。
他のことは何も言わない。

そしてそれが出来るようになると、次のステップに進める。
こんな指導をしてもらえたら、習う人は一点に集中して取り組めるから確実に進歩して行く。

進歩している自分に気づけるから、努力も楽しい。
だから上達する。

反対に教え下手な人は、長くしゃべる。
教える視点もコロコロ変わる。

今日はグリップ、明日はフォロースルー、次は頭を動かさないスイング。

だから生徒の意識も、毎回別の所に向かう。
これでは上達するはずがありません。
いつも部分的なことばかり言う人に習っているなら、それがどんな習い事でも早く先生を変えるべきでしょう。

不動産開発会社の人材育成

先日から、とある不動産業の会社の人材育成を手伝っています。
この会社、利益率も高く将来有望なのですが、如何せん人が育たない。

教え方に具体性がないので、営業のスキルが伝わらないのです。
この会社の幹部はいつもこう教えていました。

とにかく取引先といい関係を作れ。
飲みにも行け。
ゴルフも大事。
それでいい物件を紹介してもらえる。

これで人が育つなら苦労はありません。
いい人間関係をどう作るかが示されていないから、そこのスキルがない社員はどうしていいのか分からない。

さらに、幹部たちは大きな勘違いをしていました。
いい関係を築くだけでは、必要な物件を紹介してもらうことはできません。

私は、自分たちが必要とする情報を絞ることを勧めました。
自分が何を必要としているのかを理解しないで、営業をさせていては、何も伝わらず成果も出ない。

そうして、彼らが欲しい物件情報は以下のことと判明したのです。

  • 大阪市内の中心部にあるもの
  • 200坪以上の物件であること
  • 表通りから百メートル以内にあるもの
  • 1年以上取引がないもの

この4つの条件を満たした物件ならば、仕入れ価格を抑えることが出来て、そこにホテルを建設し販売すれば大きな利益が出るとのこと。

新人にとって、ただ闇雲に営業をかけさせられるのと、
「この4つの条件をアナウンスすること」と言われて営業するのでは、
動きやすさに大きな違いが出る。
そして成果にも大きな差が出る。

この会社では、これまでに特別な才能を持つ人しか会社に定着しませんでした。
それが、人並みの能力さえあれば会社に定着し、
成果を挙げられる人材が増えて行ったのです。

教えるとは、成果につながる行動をシンプルに積み重ねさせること。
これができれば人が育つ。

今日も私が練習するほんの3メートル先で、どこかのゴルフインストラクターが声を張り上げている。

『今のは良かったですね。この調子で続けて行って下さい』

この言葉の中には、有効な行動はひとつも含まれていない。
この生徒は残念だが、レッスン料をドブに捨てているのと同じことになるのだろう。

教えるのがうまい人 下手な人:まとめ

  1. 教えるのがうまい人は、相手のパフォーマンスが上がる、最も効果が高い行動を1点見つけるのがうまい
  2. その行動に集中させる
  3. そこが上達したら次の行動へと移る
  4. 習う者は効果が出るので、モチベーションが続く
  5. だから人を成長させることができる

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