ゴーストライターっているの?

ゴーストライターっているの?

「野口さんの本は野口さんが書いているんですか?」

そんな不思議な質問をするのは、たいてい出版社の人。
それくらいこの世界ではゴーストライターなる人が活躍しているのです。

ライターと言っても2種類ありまして、筆者にインタビューを行い、筆者に代わって本を書く人。
だから内容は筆者の考えに沿っている。

次に、全く初めから筆者に代わって全部の本を書いてくれる人。
これだと筆者の考えはほとんど反映されてない。
これぞゴーストライター。

著者はらくちん。

最近だと女子アナが出してまあまあ売れているあの話し方本などは、完全ゴーストではないかと私は疑っています。

だって内容があまりにもありきたりで、色々な本から抜き出して書いたっていう雰囲気がありありと出ているんだもん。

気になる印税は、自分で書けば印税は丸々筆者に。
ライターさんが入れば印税は半々というのが世間の相場。

ネームバリューのある筆者だとこのパーセンテージはライターさんに不利になり、筆者7:ライター3などになってしまう。

で、私の本ですが、そりゃほとんどが私の100%筆になる内容ですよ。
ライターを入れると、表現が微妙に変わり、あるものは上から目線になり、また別のものは読者に媚びたものになる。

つまり私のキャラでなくなるんです。

それでは自分が許せない。
印税が半分になるのもイヤ。
だからほとんどの本は自分で書くことになる。

でも・・・
ただ・・・
だけど・・・
実は・・・
ホントは・・・

数年に一度ぐらいの割で、ライターさんにお願いする本が出ることもあります。
それは印税がとってもいい時。

「そんなに初版刷ってもらえるんですかー?」
「じゃあ、お願いしよーかなー」
ってなる時があるんです。

そんなタイトルの本は絶対に書けない。
そんな内容なら書く意欲が湧かない。
類書がけっこうある。

そして、「いま少し懐にお金が足りない」

そんな状況がないまぜになったタイミングで話が来ると、ライターさんGOの指令を出すことがあるのです。

そんな時、梶村と山田は
「先生、悪魔に魂を売るんですか!」
となじるが
「じゃ給料減るけど?」
と聞くと、
「頑張ってライターさんに書いてもらいましょう」
とすぐに折れてくれる。

幸か不幸か、そんな状況で書かれた本がたくさん売れたという報告はまだありません。
私も、その本を著作として紹介もしていません。

やはりこの世の中、汗水たらして働かないと、結果は出ないようになっているのでございましょう。

ですから私の代表的な本は全て100%野口敏の手によるものなので、どうぞご安心下さいませ。

焼きたてのパン屋さんって?

私の家内は時々おかしなことを口走る。
ずいぶん昔のこと。

ある朝、パンを焼く匂いが部屋中を包む。
「いい匂いやな」と私が言うと、家内が自慢げに言った。

「これ、焼きたてのパン屋さんで買ってん」

私は驚いた。
さっき起きたと思っていたけど、そんなに早く起き出してパンを買いに行ってくれたのか!

「いつの間に買いに行ったの?」と聞くと
「昨日」と言うではないか。

「じゃ、焼きたてのパンじゃないやん」
と突っ込む私に、

「焼きたてのパン屋さんで買ったって言ってるやん」
とのたまふ。

どうも店名が「焼きたてのパン屋」というらしい。
まぎらわしい。

「じゃ、今は焼きたてじゃないの?」と聞くと
「うん」とのこと。

夫婦の気持ちのすれちがいはこうして始まる。
なんとなく重苦しい朝ごはんとなったことを今でも昨日のことのように思い出す。

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