だから話がうまい人は、瞬間的にいい話題を思いつく

だから話がうまい人は、瞬間的にいい話題を思いつく

人と話をしていて、タイムリーにいい話がひらめく人がいます。
口下手な人には神業にも見えるあの話術とは。

先日、ゴルフ場でのこと。
キャディさんはまだ18歳で新人。
タレントになったらと思うくらい可愛い人でした。

一緒にプレーした若い人もつい話しかけてしまう。

「いくつ?」
「よく焼けているね」
「海に行ったの」
「生まれは大阪?」

それにひとつひとつ丁寧に答えるキャディさん。
でも話は一問一答で終わってしまい、長くは続かない。
多くの人が経験する会話の関所ですね。

しばらくすると他のメンバーたちは自分のボールを打ちにめいめいのボールの在りかへ。
私はキャディさんとカート(電気自動車)で二人に。

「高校ではきっと運動部だったんですね」
「そうです」
「陸上かな」
「そうなんです、陸上です」
「やっぱり!走るの早いもんねー」
「いいえ、そうでもないんですけど」
「あら!謙虚」
「うふふふ」

話がはずむ人が使うのは、まず観察力。
彼女、走るのが早いし、走りが安定している。
そして、息も切れていない。
体幹がしっかりしている。

そうなれば運動部だったことは容易に察しがつきます。
肩やお尻に大きな筋肉がついていないので、腕力を使う競技ではなさそう。

多分、陸上の中長距離と察しをつけて聞いてみたのです。
これくらいなら、少し気の利いた人なら簡単にやってのけるはず。

他のメンバーがボールを打ち終わってカートに帰って来ます。

「どのへんの海に行ったの?」
「須磨?淡輪?(大阪近郊)」
とまた一般的な会話。

で、彼女はこう答えました。
「私、白良浜(和歌山にあるきれいな海)が多いんです」

彼は「へー」と言って話はおしまい。

その時、私の脳裏にはボードで波に乗る彼女の姿が浮びました。

「じゃ、ボードやっているんだ」
「はい、そうなんです!」

と嬉しそうに話し始める彼女。

一緒にいた若い彼は
「なんで分かったんですか?」
と不思議そう。

それは彼女の言葉の中にヒントがあったから。
「白良浜が・・・多い」

「多い」というのはしょっちゅう行くと言うこと。
大阪から3、4時間かかる白良浜にしょっちゅう行くのは、海水浴ではないはず。

海にしょっちゅう行く人は、釣りかダイビングかボードでしょう。

ここまで読んだ人は、話し上手とは分析がうまい人と
思ったことでしょう。

でも分析では、一瞬のうちにいい話を浮かべることはできません。

相手が喜ぶような話をポンと出せる人は、イメージ力が優れているのです。

文字や言葉で分析しているのではなく、イメージの世界に相手を置いて、想像をふくらませる。

相手の話を聞いて、それを頭の中にあるスクリーンに浮かべる。
これがありありと想像できる人が、いい話をパッと思いつくことができます。

こういうことをふだんからしていない人にはとても難しい作業に映るかもしれません。
でもこれは人間ならば誰もが持っているスキル。

ふだんからイメージを意識してお話しすれば、次第にこのスキルが磨かれて行くはずです。

さらに、相手の描くイメージが自分の中にも飛び込んで来るスキルがあります。
そうなれば、お互いが描くイメージが同じになって話はじゃんじゃん盛り上がります。

そのスキルについては、次回のコラムでお話しましょう。

この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。