部下が説明下手で何を言っているのかわからない時の解決法

先日、大手企業の部長という方からご相談を受けました。
「部下が極度の説明下手で、いつも理解するのにひと苦労です。
何かいい対処法はないでしょうか?」

何でもこの部下の言うことを理解するのに、十分ぐらいの時間を要することや、事実と違う情報を伝えられたりすることがあり、けっこう問題になっているそうです。

説明下手は頭の中でパニックを起こしています

さて、説明下手な方の頭の中を探ってみましょう。
彼(彼女)の頭の中には様々な情報がグルグルと高速で飛び回っています。
ゆっくりした速度なら、捕まえることもできますが、頭の中の情報は捕まえるのが困難な程早いのです。

また1つを捕まえたとしても、他の情報とのつながりがよくわからないので、何から話すべきかよくわかりません。
仕方なくとりあえず浮かんだ情報から話しはじめてしまいます。

さらに自分は説明下手だという自覚と不安。
上司から悪い評価を受けたくないという恐れ。

この2つが相まって、彼(彼女)の頭は混乱を深めます。
そんな時に「何が言いたいんだ」「ちゃんと整理してから報告に来い」
などと言われたら、もうパニック。

ありとあらゆる情報が絡み合いながら、彼(彼女)は思考の闇に落ちて行きます。

大事な情報を引き出す質問を用意する

こんな時、上司にお願いしたいのは
「まず落ち着こう」
という言葉を、顔を優しく見て、肘にでもポンポンと触れながらかけてあげることです。
(異性なら接触はいけませんが)
決して眉間に皺を寄せながら言ってはなりません。

次に、なるべく重要なキーワードを引き出すよう努めます。
説明下手に理路整然とした伝え方を求めるのは酷だとあきらめましょう。

穏やかに「一番言いたいことはなんだ?途中経過とか理由は後でいいぞ」
と伝えます。
軽度の説明下手なら、これで何とかなります。

さらに重度の説明下手が相手で、一番言いたいことを聞いてもトンチンカンなことしか言わないのならば、「それはいい情報か、悪い情報か?」と聞きます。
「悪い情報です」と言ったら、「よし、その悪いことを言ってくれ」と促します。

最後は
「今から言いたいことで、私が一番知りたいことは何だと思う?」
と聞いてみましょう。

キーワードが手に入ったら、おおよそのことは予想がつきますから、ゆっくりと結論から、理由、具体例などに彼を誘導すればいいでしょう。

そして報告が終わり彼(彼女)が落ち着いたら、
「説明っていうのは相手が一番知りたいことを見つけることから始めてごらん。
そこから始めると相手も予想がついて助けてくれるから」
と教えてあげて下さい。

彼(彼女)も少しずつ説明の要領がつかめて来るでしょう。

部下が説明下手で何を言っているのかわからない時の対処法:まとめ

  1. 部下はパニックに陥っていることを理解してあげる
  2. 優しく顔を見て両肘に触れ「落ち着こう」と伝える
  3. なるべく重要なキーワードを引き出すよう努める。穏やかに「一番言いたいことはなんだ?途中経過とか理由は後でいいぞ」と伝える
  4. それでも難しい場合は「それはいい情報か、悪い情報か?」と聞く。「悪い情報です」と言ったら、「よし、その悪いことを言ってくれ」と促す
  5. 最後は「今から言いたいことで、私が一番知り たいことは何だと思う?」と聞く
  6. キーワードが手に入ったら、先を予想しつつゆっくりと結論から、理由、具体例などに彼を誘導する
  7. 最後に「説明っていうのは相手が一番知りたいことを見つけることから始めてごらん。そこから始めると相手も予想がついて助けてくれるから」と教える