人前で話すととても緊張します

人前で話すと緊張する。
これは誰にとっても当たり前のことで、われわれプロも多少はあがります。

また、少し緊張していた方がいいお話ができるものです。
しかし苦手な人は、一度あがってしまうと頭が真っ白になって全ての言葉が飛んでしまうほどのダメージとなりますので、なるべくあがりからは解放されたいことと思います。

聞き手の反応がないことがあがる原因

一対一で話していたら、相手は相づちを打ってくれます。
それで私たちは安心して話ができるのです。
しかし、聞き手が何十人、何百人にもなりますと、聞き手は責任がないので反応しなくなりがちです。

すると、話し手は全く承認されない状況に置かれて、話をしなくてはなりません。
これがあがりの大きな原因だと私は感じています。

聞き手がうなづくように話す力をつける

タレントのみなさんは“つかみの笑い”を大事にします。
これは眠っている聞き手を起こし、反応が起こりやすくするためです。

一般の人は笑いを取る必要はありませんが、聞き手の反応を促す伝え方をマスターする必要はあるでしょう。

一人に話す気持ちでアイコンタクト

視線をどこに置いて話すか。
これはとても大事なことです。

反応がない聞き手を恐れて、部屋の隅や聞き手の足元を見ながら話すと、聞き手は集中力をなくし、うつむいたりスマホをいじったりしはじめます。

「聞き手をちゃんと見ていますよ」
と多くの人は言いますが、それは聴衆全体を見ているだけで、一人一人に視線を送っているわけではありません。

まず初めに、よくうなづいてくれる人を一人でもいいから見つけます。
見つかったらその人に目がけて話をしましょう。

そうなんです、一人に向けて話す感じです。

そこから真ん中に一人、右と左に一人ずつというように協力者を探していきます。
ずっと一人に向かって話すわけにもいかないので、少しずつ体の向きを変えながら、視線を移します。

するとうなづいてくれる人が、一人また一人と増えて行きます。
これで安心感が生まれ、あがりが和らぎます。

うなづく間を作って話す

次に意識してほしいのが、「間」を取ること。
「間」があるから聞き手はうなづき、あなたの話を映像に浮かべ、話に入って来てくれるのです。

もしあなたが緊張のあまり、間をうまくとれないで話すとこうなります。
(自己紹介での場面とお考え下さい)

「私は野口敏と言うのですがメーカーで品質管理の仕事をしていまして部下も8人いて人前で話すことが多くなりました」

こんなに言葉数が多くなると、聞き手は情報を受け取るので精一杯。
その言葉を映像に浮かべることができません。すると聞き手から反応が来なくなります。

話し手はますます緊張が高まり、あがってしまうのです。

話し手が間を作って話すから、聞き手はその場面をイメージし、話に入って行けます。
イメージすると自分も当事者のような感覚になれて、うなづきも生まれやすくなるのです。

まとめ

  1. 人前で話すとあがるというのは、聞き手の反応が薄いから
  2. 聴衆の一人に向かって話すような感覚で
  3. 間を取って話すと聴衆はうなづきはじめる

 

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