大塚家具で家具を買ってみました

大塚家具が父と娘の権力争いで大もめだとマスコミで騒がしい。
もめ事の真実はどこにあるのか私にはわからない。
表面上の理由は、大塚家具の接客のあり方にあるらしい。

大塚家具に行きますと、まず受付で名前や個人情報を書かされまして、その後でお付の販売員さんが登場して中を案内して下さる。
気軽に中をブラブラというわけにはいかない。
(担当の方は穏やかで品があって、コミュニケーション能力も高そうでした)

この仕組みを娘さんである社長は変えなければと考えたが、父はそれを許さなかったらしいのだ。

私、今から三年前に大塚家具でお買い物をして来ましたので、その模様をみなさまにリポートいたします。

大塚家具と言えば高級家具で有名。
カーテンからして20万円近くもするのだ。ああびっくり、腰抜けた。
カーテンを留めるタッセル(ふさ)ですら1万円もする。
安いとこだと1万円でカーテン買えるよ。

さて、入店しますとまず出て来るのがフレッシュジュース。おいしいけど、びっくり。
ついで甲子園球場の何倍もあるという店内をご案内。
アンケート用紙に「見たいもの」を書いていたので、担当の方が「じゃ、まずはダイニングテーブルから」なんて言われて後ろをついて行きます。

まず、私の書斎用本棚を注文しまして、続いて私の机。
「机は別フロアーになっております」と言われて、エスカレーターに乗って階上へ。
いい机があったのですが、ふと「さっきの本棚と色目合うかな」などと家内としゃべっておりますと、担当の方が「しばらくお待ち下さい」と言うではありませんか。
「何を待つんかなー」と思っておりますと、遠くからゴロゴロという音が。

ふと見ると、さっき私が注文した本棚(けっこう大きい)が、台に乗せられて丸ごとやって来る!
机と並べて「お色目はいかがでしょうか?」って、そこまでやるんかー!
「OKです」って言うしかない。

私は途中で疲れたので、家内がソファーなど見ている間に、売り物のリクライニングチェアに座っておりますと、別の販売員さんが近寄ってくる。
怒られるのかと思いきや、「お疲れでしょう。ジュースなどいかがですか?」とおっしゃる。
「ください、ください」と言いますと、またまた本物のフレッシュジュース。
ああ、おいしい。

お会計はひろーい別室で。
私はマッサージチェアでお昼ね。
そしてまたまたフレッシュジュース。ああおいしい。
お買い物を堪能したのです。

でも、これ一般の方々にはちょっと気が進まないシステムでは?

けつろん。
大塚家具は、いまのままでは
お金に余裕ある(わたしゃ、ここの上得意になれるほどのお金はないけど)
いらないものはいらないと言える。
フレッシュジュースを何杯飲まされようと、「今日はいいものなかったわ」とあっさり言って帰って来れる。
そんな腹のすわったお客さんでないと、気軽には行けません。

会長は今の販売方式を考案して成功された方。
バブル時代からしばらくは、その方式で売上が上がったのでしょう。
でも、今の時代では、中心顧客層の30-40代の人々に、そんな販売方法を押し付けたのでは「NO」って言われてるのは目に見えています。
やはり、娘さんの社長さんの考えが時代にマッチしていると思うしだいなのでした。

創業者の成功体験から出た会社の仕組みはなかなか変えられないものなのですな。
私も小っちゃいちっちゃい成功体験を持っています。
でもそれは未来永劫に渡って当てはまる成功方式ではないのですよね。

人間、古くなって時代についていけなくなったら、周りに迷惑をかける前に、さっさと隠居するべきだと、自分に言い聞かせるのでした。
親子の確執を解くには、なんといっても教室でコミュニケーション会話術を学ぶこと