他人に親切にするとお金持ちになれる驚きの理由

東洋経済新報社から「いつの間にか仲良くなっている人たちの世界」という本を出版しました。
世の中には全く知らない人同士なのに、短い間にいつの間にか仲良くなっている人たちがいるものです。
彼らは仕事のアイデアも豊富で、他人が思いつかないことをひらめく才能の持ち主なのですが、
それは彼らが親切であることのご褒美であったことがわかりました。

本書では、「いつの間にか仲良くなっている人たち」を縮めて、「いつ仲の人」と呼んでいます。

日本人は他人に親切にすることをためらう

駅の階段で若いママがベビーカーを抱えて大変そうにしている時、「お手伝いをしましょう」と手を貸してくれる人はわずかです。
お年寄りのご婦人がショッピングカートを押しつつ手には手提げを抱えて難儀をしている時に、「奥さん、大丈夫ですか?」と声をかけられる人もすごく少ないです。

ところが、「いつ仲の人」たちは見知らぬ人の難儀を見ると、抵抗なく声をかけます。

ある男性は、駅のロータリーで腰の曲がったおばあさんと遭遇しました。
彼女は大きなショッピングカートにたくさんの買い物を乗せ、
おまけに手にはもう1つのショッピングカートを引きずっていて、とても大変そうです。

彼は「お手伝いしましょうか」と声をかけました。
すると彼女は「タクシーに乗せて」と頼んで来たのです。

タクシー乗り場まで一緒に行き、荷台に彼女が手で引く方のショッピングカートを乗せようとした時、その重さにびっくり。
片手では上げられません。おそらく40キロぐらいはあったかと思われました。
このおばあさん、こんな重いものを家まで持って帰るつもりだったのかと驚く彼。

ようやくタクシーにおばあさんを乗せると、おばあさんは「息子でもこんなことしれくれないのに、ありがとね
と言って車に乗り込み、車のリアウィンドウから見えなくなるまで手を振っていました。

人類は他人に親切にすることを始めた時、文化的な大躍進をはじめた!

最近人類に関するとても大きな発見がありました。
我々は20万年前に地上に誕生し、そこから15万年間は文化的、技術的に大きな進歩はなさなかったようです。
しかし、5万年前に突如として火打ち道具、飛び道具、砥石、釣り道具に鳥の罠など、
洗練された道具や芸術品の制作が広まりだしたのだとか。

釣り針などは現代のものとあまり違いはないようで、すでに完成されたものを当時の人たちは作り上げていたのです。

そのきっかけとなったのが、女性ホルモンであるエストロゲンだと言います。
人類の人数が増えて、大勢で暮らすようになるとストレスも増えます。
そこで他人に手を貸して、お互いに居心地のいい暮らしをする必要が生まれました。

他人に手を貸す、親切にするという態度が女性ホルモンの分泌を促し
結局それが人類の発想を豊かにして、様々なものを作り出せるようになったと言われています。

他人に親切にすると、いい発想、素敵なアイデアも湧きやすくなる

ということは、人に親切にするという行為が私たちの発想力を育てるきっかけになっているということになります。
「いつ仲の人」に裕福な人が多いのは、これが理由ではないでしょうか。

ちなみに男性ホルモンのテストステロン過多の人は、争いが多く孤独だとか。
これは企業で数字と成果だけを追い求めて他人の痛みに鈍感な企業戦士が、はじめは結果を残しながらもやがて人がついて来なくなり、
組織で孤立し消えて行く姿と重なります。

日本の企業から画期的なアイデアが生まれにくくなり、世界で埋もれて行くのは、
企業の中で協力し支え合う風土が消えたからという見方もできそうです。

人に親切にすれば自然と人間関係は広がって行きます。
閉まりかけたエレベーターのドアを、人影が見えたらもう一度開く
お年寄りや妊婦さんに電車の席を譲る

あなたが出来ることだけでいいのです
人に親切にすると、とても気分がよくなるというご褒美もついて来ます。

「いつ仲の人」のそばにいると、彼らの自然な親切を見せてもらえます。
親切にされた人の笑顔を見ると、「親切にするってこんなにいいものなんだ」と実感できるでしょう。
あなたも一度やってみたいと思うようになります。

いつかあなたの発想力が次元を超えたものになっていることに気づいたら、
あなたも「いつ仲の人」の仲間入りを果たしたと考えていいでしょう。

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