豊かな日本人が世界で幸福度が低い理由

東洋経済新報社から「いつの間にか仲良くなっている人たちの世界」という本を出版しました。
世の中には全く知らない人同士なのに、短い間にいつの間にか仲良くなっている人たちがいるものです。
知らない人とのコミュニケーションが苦手な人から見れば、「いつの間に仲良くなったの!」と不思議に見えることでしょう。

本書では、いつの間にか仲良くなっている人たちを縮めて「いつ仲の人」と呼んでいます。
彼らの日常はとても穏やかで、しかも幸福なのです。

しかも本書が説くのは、あなたが「いつ仲の人」になるのではなく、
「いつ仲の人」に見つけてもらって、そのお仲間に入れてもらうことなのです。
これなら小さな努力で大きな幸せが手に入ります。

まずは「いつ仲の人」の幸せの源のお話と、現代の日本人が失っているものについてもお話をいたします。

幸福度は紛争地や治安の悪い国より下の55位!

経済力の低下が叫ばれている日本ですが、私たちの暮らしを見ればまだまだ豊かです。
治安の良さは世界有数で、ご飯はおいしく、医療は充実していて世界の中では大変に安価。
水は豊富で気候も一応温暖。

ちなみに、歯医者で歯の歯石を取るのに日本では1480円かかりますが、アメリカでは31200円かかります。
飢餓に直面している人は世界で7億5000万人(世界人口の11人に1人)ですが、日本では助けを求めさえすれば飢え死にする人はいません。

世界一幸せでもいいはずなのに、なんと幸福度は世界で55位!

まだ紛争が続き、海外渡航「危険情報」レベル2「不要不急の渡航は止めてください」と外務省から警告が出ているコソボ(幸福度29位)や、
治安が悪が悪く、殺人率が日本の113倍もあるメキシコ(幸福度10位)より低いのです。
10万人あたり26人が殺されているメキシコが10位で、0.23人しか死んでいない日本が55位っておかしいでしょう!

結局、人の幸せは自分を愛してくれる人が何人いるかで決まる

紛争地や治安の悪い国の人々にあって、私たち日本人にないもの。
それは自分をわかってくれる人、自分を思ってくれる人、愛してくれる人の数だと私は思います。

朝、いろんな人がやって来て「おはよう」「調子はどうだい」「今日もいい顔してるね」と声をかけてくれる。

そして、「あの話はどうなったの?」とか、「仕事うまく行っているそうじゃない」、「ゴルフですごいスコア出したんだってと話しかけてくれて、
いいね」「やったね」「いい話だね」と共感し肯定してくれる。

また、「わたし、駐車場で前向きで駐車して下さいって書いてあるのを見て、
おれは駐車がうまい! って前向きなことを言いながら車を止めることだとずっと思っていたぞ」
なんてバカバカしい話ができる。

しかもそれを「ほんとに!、あなたっておもしろい人ね
と否定せずに笑ってくれる。

そして一緒にご飯を食べ一緒に笑い合う。そういうことに人は幸せを感じるのだと思います。

こうして周りの人々とのコミュニケーションを通して、
自分はみなに慕われている」「大事にされている」と感じた時に、
私たちは幸福を感じるのです。

幸福を感じる人が多い国では、どの人も心をあけっぴろげにして楽に付き合えるのでしょう。
反対に他人を信じず自分の本当の気持ちを表現しない、そして知らない人とは話すらしない今の日本人。
幸福度が低いはずだと思いませんか?

「いつ仲の人」たちは心を許せる人をたくさん持っている

 

「いつ仲の人」は、家族、友人、職場の同僚にとどまらず、
身近にいる人すべてに優しく朗らかに接します。
だから、「いつ仲の人」の周りにはたくさんの笑顔があふれて、それがまた彼らを幸福にします。

知らない人でも気持ちが通じる人には、微笑みかけ「こんにちは」と言い、「いつもいい笑顔ですね」とほめるので生活のあちこちに知り合いが増えて、
それがまた「いつ仲の人」に笑顔の体験をさせてくれるのです。

ではどうすれば「いつ仲の人」に見つけてもらえるのか
それは意外と簡単です。
「いつ仲の人」はあなたのサインを必ずキャッチして、話しかけてくれます。

本書でそのシンプルな方法を様々に書きました。
ぜひご覧になってください。

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「いつ仲の人」たちと楽しく付き合っていると、
私たちの社会の底に流れている「知らない人とは関わらない」「プライベートなことは他人に話さない」「気軽な冗談は不謹慎」といった考えが、実はおかしいのだと思うようになるでしょう。