いつまでも愛される旦那さん、見捨てられる旦那さん

夫婦の問題でのご相談、増えています

私の仕事は人間関係の戸惑いを抱えて訪ねて来られた方と一緒に、
婚活や仕事や家庭環境の問題を解決することです。

おかげで結婚できました」「部下とコミュニケーションがとれるようになりました
妻が少し笑顔を見せてくれるようになりました」と言われると、大きな喜びを感じます。

さて最近増えて来たのが、「妻との関係がどんどん冷たくなって行く」という夫からのご相談。
年齢では40代後半から50代の男性が多いです。

どの方も仕事一筋で、社会的には成功を果たしている方ばかり。
ただ、家族に対しては全く愛情を注いでおらず、ふと気づいたときには妻の態度が本当に素っ気ないものになっていたと、
どの男性も苦笑しながら打ち明けてくれます。

子供が巣立って二人の暮らしになったらどうすればいいの?

このままでは子供が巣立ったあと、妻と二人になるのが怖い」と言う方もいます。
生活の中で妻が夫にどんな態度なのかを聞きますと、どのお家もうすら寒さを感じてしまう悲しいお話ばかり。

、妻の背中に「おはよう」と声をかけるも、振り向きもしないで形ばかりの「おはよう」が返って来る。

家族4人の食卓では、夫婦がはす向かいに座って、会話は妻と子供たちの間で交わされている。

家に帰るとリビングで妻と子供たちが楽し気に話をしている声が聞こえる。
夫が「ただいま」とリビングに入ると、妻はキッチンへ、子供たちは各々の部屋へと消えて行き、
さっきまで楽しそうだったリビングに沈黙が訪れる。

各々の食事は各々で作り、各々で食べる。
悲しく寂しい物語が続きます・・・。

結婚したばかりの時はお互いに愛情があふれていたので、
この生活が永遠に続くものだと思っていた」とは、彼らがよく言うことです。

「花に水と栄養をあげないと枯れてしまうでしょう。
妻にも十分な愛情をあげないと、妻の気持ちはすぐに枯れ果ててしまうのですよ」と伝えると、みながっくりとうなだれます。

さて、このような状況で、手を尽くせば妻の愛情は戻って来るのでしょうか。
もちろんもう手遅れという場合もありますが、手を尽くせば何とかなることもあります。
それは妻の気持ちがどこまで冷え込んでいるか、夫婦生活をあきらめているかで決まります。

あなたの心に奥様はいますか?

彼らに取り組んでもらうのは、コミュニケーションの取り方からです。
愛情のある話の聞き方、どんな話題を選べばいいのか、さりげないスキンシップの取り方など学んでもらいます。

ここでもみなさま、かなり苦労をします。
共感の話などは「初めて聞いた」「していると思っていた」とカルチャーショックで愕然とします。
できていなかったから妻の気持ちが冷めたのですから。

仕事以外の楽しい話、失敗談とか街角で見かけたちょっとしたシーンの話などは試練のようです。
会社では仕事の話をしていれば、何とかなっていたのです。
とくに自分の至らなさを小さなエピソードで話すことなど、とても抵抗を示します。
こういうタイプは息子とほとんど話ができません。

「コミュニケーションには自信があったつもりでした」と自分の勘違いに今更ながら気づく夫も多いです。

基本的な力がついたと感じたら、いよいよ本題に入ります。

あなたの心に奥様はいますか?

私はそう尋ねます。
この言葉だけでのけぞる夫もいます。「どういうことですか?」と真顔で聞く夫もいます。

ふと妻のことを考える ・・・ そんな経験ありますか?

コンビニに行った時、妻の好きなお菓子がふと目に留まる。そんな経験ありますか?

仕事をしている時、コンビニに寄った時、道を歩いている時、ふと妻の顔が浮かぶのがいつまでも愛される夫の姿です。
それだけ妻に愛情を持っているということなのでしょう。

コンビニでビールを買った時、妻の好きなお菓子がふと目に留まったら迷わず買って帰る。
小説が映画になったと聞いたら、「あ!これうちの奥さんの好きな作家のだ」と思い出し誘う。

お月見、お花見、今年はどこで観ようかと思案して話題にする。
帰り道に花屋の横を通ったら小さな花を1厘買って帰る。
「どうしたの」と聞く妻に、「ふとあなたのことを思い出したから」と笑顔を向ける。

外でちょっとした面白いシーンを見かけたら、家で妻に話してあげようと思う。

心に妻がいる人はふとしたシーンで彼女のことを思い出し、それを話題にしたり行動で示したりするのです。
妻は夫の心に自分がいることを感じて、愛情を感じます。

そんな二人ももちろん喧嘩もするし、意見が食い違うこともあります。
でも最後の最後は愛情が勝り、やがて仲直りをしてまた穏やかな暮らしに戻るのです。

心の中に他人を置ける人は、友人も多く、仕事でも助けたり助けられたりして幸せな人生を送れます。

ご相談の方は、4回のレッスンと努力で「朝、家内が私の顔を見ておはようと言ってくれます」というところまで進みました。
あといくつかの努力とトライを重ねると、きっと家庭に温かな雰囲気が戻って来るでしょう。
この家庭にはまだ愛情が残っていたようです。

どんと晴れ