雑談の大辞典(春編)Kindle版

「これから商談だけど、いきなり仕事の話をするのも気が引けるなあ。雑談、苦手だなあ」
「明日は婚活で素敵な人と会えることになったけど、何を話せばいいのかな」
「今週は会社の飲み会がある。雰囲気は好きだけど、雑談がうまくないのが気がかり」

そんな心配を抱えている人は、世の中に何千万人といることでしょう。
そんな方々を救うために、雑談の大辞典が生まれました。

作りましたのは、120万部ベストセラーの「誰とでも15分以上 会話がとぎれない話し方66のルール(すばる舎)」の著者、野口敏でございます。
この雑談の大辞典に収められているのは、全てが暮らしに密着した生きた話題だけ。
決して、「うんちく」「知識」「情報」の話題ではありません。

一例をあげてみましょう。
ゴールデンウイークの話題となったとき、ほとんどの人は

「どこに行きますか」「誰と会いますか」「どんなところに泊まりますか」と、「5W1H」を使った話をしがちでしょう。

それ、一問一答ですぐに話が行き止まりになりませんか。

この「雑談の大辞典」を紐解きますと、ゴールデンウイークに予定がない人は、

「私、ゴールデンウイークに何も予定がないのと話しはじめてみよう」と書いてあります。
「そんなんで話が広がるのか!」と思った方もいるでしょうが、広がるんです。
何もないところから話が生まれるのなら、あなたの話題は何倍にもふくれあがるでしょう。

「連休に予定がない人」の暮らしはどうなるのか、その日常をお話しするのが雑談です。相手も興味を持って話に入り込んで来ます。

たとえば「ラインが1本も来ない」「みんな楽しくやっているんだろうなと寂しく思う」
「行くのは近所のファミレスとコンビニ」「服もほとんど同じ」「連休も3日で飽きる」。

そんな話をすると、実は多くの人が似たような思いをしているので、「わかる~」「わたしも~」と意外にも共感を呼ぶのです。

「連休に予定がない」という人に巻き起こりそうな出来事をいくつも用意しましたから、「これ、私だ」と感じたらすぐに会社や友達との会話に使ってみてください。

「連休はハワイ!」と話す人には、誰もがうらやましいという態度を一応見せますが、じゃあどっちが話がはずむか、好感度が高いかといえばもちろんそれは、「ラインが1本も来ない人」なのです。なぜなら、みんな経験があるから。ハワイ旅行は経験ある人少ないでしょう。

ただし悲惨な顔でいえば悲劇になります。でも楽しそうに話せば喜劇なのです。

6月は話題が少なそうに思うでしょうが、「父の日」といういい話題があります。
父の日なんて、話題にしている人の方が圧倒的に少ないはず。
でも「父の日って、母の日に比べて扱いが雑だよね」とあなたが口火を切れば、「たしかに」と誰もが同意してくれるにちがいありません。
なぜ父の日が世間から雑に扱われているのか、大いに語り合ってください。お父さんを悪者にして。

話の材料がいくつも用意されていますから、そこにあなたの感じたことをちょいちょいとミックスしてみましょう。

この大辞典で紹介されている話題は、暮らしの中で巻き起こる出来事、誰にでも必ず起きるドラマのことばかり。だから相手にも似たような話があるものです。

あなたが話せば、相手も「私もあるある」と話に乗って来ます。だから話がはずむのです。
その話から、あなたの人となりがそこはかとなく相手に伝わり、相手は親しみを感じます。
あなたの話に刺激されて、相手もつい様々なことを話してしまい、そこにその人柄がにじみ出て来て、あなたも好意を感じてしまう。
これがうんちくの話にはない宝ものです。

それが仕事をスムーズに運ばせ、知り合いから友になり、男女の仲ならば恋愛感情に発展する力となります。それが雑談が大事と、大昔から世の人々に言われて来た由縁です。

4月は「花見」「フレッシュマン」「人事異動」「コートをクリーニング屋に出すタイミング」「エープリルフール」などなど、誰にでも起こりうる平凡な日常の中に見つかるドラマをふんだんに用意しました。
4月は新しい人たちとの出会いの季節。ぜひこの「大辞典」でチャンスを生かしてください。

5月は「ゴールデンウイーク」「母の日」「アウトドア派とインドア派」「半袖にするタイミング」「ペットの話」など、話を続けるのがむずかしそうなテーマを縦横無尽に押し広げます。
アクティブになるこのシーズンを、雑談力を生かして楽しみましょう。

6月は「傘に出てしまう人柄」「父の日」「祝日がない」「クーラーのスイッチ、いつ押す?」「今年ももう半分過ぎちゃいましたね」など、意外な切り口からあふれ出る話題の数々。
じめじめした季節も話に花を咲かせて、楽しんでください。

会話のサンプルもたくさん入れましたので、会話の流れも体得できるはずです。
初めはマニュアルのお陰ではずんでいた話も、やがてあなたのオリジナルが生まれて、いつか「雑談の大辞典」から卒業する日も来るでしょう。
雑談って楽しい♪って感じてもらえたら、最高にうれしいです。